Texas Instruments 技術情報

MSP430でams社ガスセンサーを動かしてみた

[最終更新日 : 2017/09/29]


はじめに

こんにちは。

今回はams社のガスセンサーを使ったエアクオリティの測定実験と、TI社MSP430を使ったセンサー制御、およびプログラム例を紹介したいと思います。この記事をご活用いただければ、CO2レベルや大気中の有機化合物を簡単にマイコンで測定することができるため、家庭内や職場環境を意識したIoT機器開発等のご参考になるのではないかと思います。

ams社について

ams社はオーストリアのグラーツに本社をおく半導体メーカーです。昨今”IoT”というキーワードが注目されていますが、ams社はIoT機器に搭載できる各種センサーを豊富に取り扱っているため、ご存知の方も多いかもしれません。富士エレクトロニクスはams社の一次代理店としてams社の製品を取り扱っています。詳しくは弊社のamsメーカーページをご参照ください。

エアクオリティセンサーとは

ある空間の空気の品質を評価することができるのがエアクオリティセンサーです。そのために、ams社のCCS8xxシリーズは常温時の大気中に存在している煙、臭い、バイオ廃棄物、汚染物質、人の活動によって放出される物質といった、揮発性有機化合物(VOC)を金属酸化膜半導体(MOS)ガスセンサーによって、室内のCO2レベルと関連付けながら測定できます。

CCS8xxシリーズにはI2Cによって測定データを通信するCCS811と、Analog I/Fで出力するCCS801が存在しますので、好みに合わせて使い分けることができます。今回はTI社のマイコン(MSP430FR5969)とCCS811で動作確認しました。

CCS811による実験

CCS811の評価ボードには専用のGUIツールが用意されているので、センサーを使って期待通りの測定ができるかをすぐに試すことができます。GUIツールは以下のURLからダウンロードできます。

WINDASHBOARD

このGUIを使って、最初にオフィス内の空気を測定してみました。(実験1)

実験1

実験1:当社オフィス CO2≒400[ppm]、TVOC≒0[ppb]

当社の環境でCO2レベルは400ppm程度でした。250-1000ppmですと、換気されている屋内という基準値になるようですので問題ないレベルでしょうか。

次に、このセンサーを両手で囲んで、息を吹きかけてみました。(実験2)

実験2

実験2:CCS811を手で囲って息を吹きかける CO2≒1000[ppm]、TVOC≒80[ppb]

おぉっ、息を吹きかけると、CO2、TVOC値共に変化が見られますね。このときの測定でCO2は約1000ppm、TVOCは約80ppbという値になりました。TVOCは、先に紹介したさまざまな物質のVOC値を総合した値を表しています。この数値が大きいと、シックハウス症候群や化学物質過敏症といった健康被害を及ぼす恐れがあることが知られています。

次に、当社の喫煙ルームで測定してみました。(実験3)

実験3

実験3:喫煙ルームで測定 CO2≒8000[ppm]、TVOC≒1150[ppb]

すごいっ、、いきなり数値が急上昇!CO2が約8000ppm、TVOCも1156ppbと出てきました。CO2においては8時間労働環境としての限界値である “5000ppm” を超えてしまっています。当社の場合、愛煙家達が喫煙ルームに一堂に集まるので、他と比べても高いのかもしれませんが、環境としてはよくないことが数値ではっきりと確認することができました。

MSP430からCCS811を制御

実験はこれくらいにして、次にCCS811をマイコンから制御してみたいと思います。

まずは使用した開発ツールについて以下にまとめます。

TI社評価ボード: MSP-EXP430FR5969

MSP-EXP430FR5969はMSP430の評価ボードです。

上記ターゲットボードに搭載されているMSP430FR5969は超低消費電力で動作し、またFRAMを搭載していることからセンサーで測定したデータをログとして格納するのに適しています。FRAMは不揮発性のメモリなので、万が一電源が落ちてもログデータはそのまま記録しておくことができます。

また、TI社の統合開発ツール(Code Composer Studio)は無償で提供されていますので、ちょっと動作確認したい時に非常に便利です。

MSP-EXP430FR5969

ams社評価ボード: Evaluation Kit for CCS811

CCS811の評価ボードです。この評価ボード単体でPCとUSB接続して、上記で紹介したGUIにて測定を開始することができます。また、センサー部とUSBコントローラ部分と取り外すことができるので、手持ちのマイコンと接続して制御することも可能です。

CCS811-Eval-Kit

接続

次に、実際の接続図と写真です。試験用にブレッドボードを使って接続しました。

接続イメージ

接続写真

動作プログラム

今回の検証にあたって、プログラムは当社で作成してみました。もし作成したソースコードがほしい方は、お問合せからご連絡いただけたらと思います。

お問い合わせはこちら

作成したプログラムの動作シーケンスについては下記にまとめました。

CCS811はADDR端子で自身のI2Cスレーブ・アドレスを切り替えることができますが、評価ボードではADDR端子をプルダウンしているため、I2Cスレーブ・アドレスは0x5A固定となっています。

フローチャート

動作結果

以下の画像は作成したプログラムの動作結果です。今回のプログラムでは、計測結果をUART出力し、ターミナルソフトに表示させています。GUIでの表示と同等の結果がちゃんと表示されました。

動作結果

最後に

今回はams社のガスセンサーを使ったエアクオリティの測定実験と、TI社MSP430を使ったセンサーの制御方法、およびプログラム例について紹介しました。

ams社には今回紹介したエアクオリティセンサー以外にも豊富なセンサーを取り揃えています。これらのセンサーはI2CやSPIといったシリアル通信を使ってデータを取得する必要がありますが、MSP430は低消費電力で動作可能なマイコンですので、バッテリー駆動が多いIoT機器ではこれらのセンサーと接続するのに最適なマイコンと言えます。今回使用したMSP430の評価ボードやams社製品に関する、さらに詳細な情報をお求めの方は弊社の問い合わせフォームからお問い合わせください。

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