Texas Instruments 技術情報

Bluetooth 5対応!TI社推奨のCC2640R2F搭載モジュール SaBLE-x-R2の紹介

[最終更新日 : 2017/8/31]


はじめに

今回はBluetooth 5対応のテキサス・インスツルメンツ社(Texas Instruments、以降TI社)のBLE(Bluetooth Low Energy)チップ CC2640R2Fを搭載したBLEモジュールである、レアード・テクノロジーズ社(Laird Technologies、以降Laird社)の”SaBLE-x-R2”を紹介したいと思います。SaBLE-x-R2はTI社推奨のCC2640R2F搭載BLEモジュールです。

Laird社はワールドワイドでモジュールを供給している会社ですが、皆様はご存知でしょうか?本記事では、まずTI社のBLEチップであるCC2640R2Fについて紹介し、その後にLaird社についてとSaBLE-x-R2がどんなモジュールなのかを紹介したいと思います。

TI社製低消費電力マイコン CC2640R2F

CC2640R2FはTI社製のBLE通信機能をもったマイコンです。CC2640R2Fの詳しい説明に入る前に、簡単にBluetooth 5の特徴をおさらいしましょう。

Bluetooth 5の主な4つの特徴は以下となります。

  • 2x Speed : 物理層のデータ伝送速度が2倍
  • 4x Range : 平均消費電力を増やさずに通信可能距離が4倍
  • 8x Data : ブロードキャストメッセージの伝送容量を8倍
  • Wireless Coexistence : 他の無線技術との干渉を減らし、共存機能を強化

従来のBluetooth 4.2と比較すると、大きく拡張されています。

それではこんなBluetooth 5に対応したCC2640R2Fの紹介をしたいと思います。

CC26xxブロック図

これはCC2640R2Fのブロック図です。MCUとRFが統合されたSoC(System On Chip)タイプのBLEマイコンとなります。

メインCPUとしてARM Cortex-M3を採用し、128KBのFlashと20KBのSRAMを搭載しています。

RF CPUとしてはARM Cortex-M0を採用し、ソフトウェア無線として動作します。TI社から無償提供されているSIMPLELINK-CC2640R2-SDKを使用することでBluetooth 5に対応することができます。

また、CC2640R2FにはARM Cortex-M3とは独立した動作をするSensor Controller Engineがあり、16ビットのRISCマイコンが搭載されています。Sensor Controller Engineの詳細については下記記事をご参照ください。

TI社製CC2650はどのくらい低消費電力なのか?~第1回:Sensor Controller Engine紹介編~

つまりCC2640R2Fは3つのCPUコアを搭載し、システムとして業界最小クラスの低消費電力性能を実現したデバイスとなっています。

Laird社について

Laird Technologies

Laird社はイギリスのロンドンに本社を構える電子部品・機器のメーカーです。ワールドワイドの市場要求に対応するために、ハードウェアやソフトウェアの設計開発・評価・テクニカルサポートを実施しています。

無線モジュールにおいては、特に産業機器用途に応えるために幅広い温度動作範囲長期安定供給を重視した企画/開発/設計/製造を一貫して社内で行っているため、社会インフラや医療機器など特に高い信頼性が求められる機器間の通信や遠隔制御などに用いられています。

Laird社製 SaBLE-x-R2

SaBLE-x-R2

右の写真がSaBLE-x-R2の外観です。大きさは11.6mmx17.9mmの表面実装タイプのモジュールとなっています。

赤枠部分にPCBにマウントするタイプのU.FLコネクタを使用することで外部アンテナを接続することが可能です。

その他のSaBLE-x-R2の仕様については下表にまとめています。

モジュール型番 SaBLE-x-R2
搭載CPU TI社製 CC2640R2F
平均電流 10uA以下(1秒間隔でのConnection Interval)
送信出力 +5dBm
受信感度 -96dBm at 0.1% BER
入力電源電圧 1.8V~3.3V
FWアップデート OTA(Over The Air)対応
電波認証 FCC/IC/CE/TELEC/RCM
認証済アンテナ PCB(パターン)/Dipole/FlexPIFA/FlexNotch
サイズ 11.6mm×17.9mm×2.3mm

SaBLE-x-R2を採用すべき4つのメリット

BLEの規格はBT SIGによって定められているため、BLEモジュールの仕様に大きな差はありません。そのためユーザーが選定しにくい現状があります。

その中でSaBLE-x-R2のメリットを纏めました。こちらを確認することでモジュール選定する際の大きな助けになると思います。

メリット1:TI社のソフトウェア環境がそのまま使用できる

TI社よりBluetooth 5に対応したSDK(SIMPLELINK-CC2640R2-SDK)が無償で提供されています。Laird社のモジュールはこちらのSDKがそのまま使用出来るため、簡単にBluetooth 5対応製品の開発が可能となっています。

メリット2:アンテナの種類が豊富

一般的なPCB上のパターンアンテナとダイポールアンテナに加え、下記のアンテナが用意されています。無線製品においてアンテナの特性は非常に重要です。一般的な無線の特性として、Bluetoothが使用している2.4GHzの周波数帯は周辺環境によっては電波が通りにくくなります。SaBLE-x-2は様々な種類のアンテナに対応しているため、周辺環境に応じた最適なアンテナが選択可能です。

FlexPIFAアンテナ(Laird社特許取得済)

FlexPIFAアンテナ

FlexPIFAアンテナは業界初のフレキシブル板状逆Fアンテナです。このアンテナはシンプルな構造で低価格であり、小型で薄く湾曲したプラスチック筐体にも両面テープで貼り付けることができますし、金属や人体の近くでも使用できます。

 

 

 

FlexNotchアンテナ(Laird社特許取得済)

FlexNotchアンテナ

FlexNotchアンテナは小型で薄い無指向性アンテナで、湾曲した面にも両面テープで貼り付けて使用可能なシンプルで低価格なアンテナです。このアンテナは表面ラインを目安にカットすることにより、製品の筐体に合わせて最高のゲインと周波数帯域を追求することができます。Laird社に筐体のサンプルを提供すると、Laird社のエンジニアが3Dモデリングとテストラボで最適なアンテナ寸法を求めるサービスも提供しています。

メリット3:海外認証取得やEMC試験が対応できる

SaBle-x-R2では主要国(FCC:アメリカ、IC:カナダ、CE:ヨーロッパ、日本:TELEC)の認証に加えてRCM:オーストラリア/ニュージーランドの認証を取得しています。それ以外にもLaird社は製品・モジュールの無線認証取得に数多くの実績があります。Laird社内に経験豊富なエンジニアが在籍しているため、数多くの国で認証が取得できる体制になっています。

また、無線搭載製品を海外に出荷する場合には、国によってEMC試験が必要な国がありますが、Laird社ではEMC試験サービスを行っているため、そのような国々向けの製品にも対応することが可能です。

メリット4:長期安定供給

Laird社が提供するモジュールは、通常、7~10年の製品ライフサイクルを必要とする産業市場ニーズを満たすように設計されています。また、SaBLE-x-R2はLaird社の定めるProduct Life Cycle Policyが適用されています。詳細については下記のリンクから確認できますので、是非一度ご確認ください。

まとめ

本記事ではTI社製BLEチップのCC2640R2Fを搭載しているSaBLE-x-R2やそれを製造しているLaird社について紹介しました。

昨今では無線製品のモジュール化が進み、多くのユーザーに検討していただく機会が増えてきていますが、無線認証や開発環境の構築などでつまずくことも多いです。

SaBLE-x-R2ではLaird社の充実したサポート体制やTI社の用意するSIMPLELINK-CC2640R2-SDKによって、これらの問題解消やスムーズな開発を期待できます。Bluetoothを製品の機能として検討中の方にはうってつけの製品と言えそうです。

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