Texas Instruments 技術情報

はじめての人でも分かるホールセンサーの原理と種類

[最終更新日 : 2017/07/14]


はじめに

「ホールセンサー」というものをご存知でしょうか?本記事ではこのホールセンサーの原理の説明から、ホールセンサーの種類について紹介します。

ホールセンサーとは?

ホールセンサー(ホール素子)とはホール効果を利用して「磁石が発する磁界」や「電流が発する磁界」を電気信号に変換して出力する非接触型の磁気センサーです。

ホール効果

ホール効果とは物質に流れる電流に対して垂直方向に磁場をかけると、電流と磁場の両方に直交する方向に起電力が現れる現象です。

ホール効果

上の図の中央の十字型の物体がホール素子です。これにx方向に電流が流れているときにz方向に磁場がかかると、ローレンツ力を受け、y方向に荷電粒子の進む方向が曲げられます。その結果、+側に帯電する面と-側に帯電する面が現れます。このそれぞれの面の電位差を測ることによって磁界の発生有無や磁界の強さを判別することができます。

ホールセンサーはこのホール素子とアンプ、コンパレータ、シュミットトリガなどを内部に組込んだデバイスです。

ホールセンサーにもさまざまな種類があります

世の中のホールセンサーには様々な種類があります。今回はTexas Instruments(以降、TI)社が取り扱っているホールセンサーを中心に紹介します。

まず、TI社のホールセンサーを動作タイプで分類すると、ラッチタイプ、スイッチタイプ、アナログ出力タイプの3種類があります。この動作の違いによって利用シーンも異なっています。まずは、その3タイプの違いを確認しましょう。

ラッチタイプ

ラッチタイプはN極が近付くと出力がHighになり、S極が近付くと出力がLowになります。N極/S極が離れても出力状態は維持されます。つまり、一度N極が近付いて出力がHighに変化したものをLow出力に変えるためにはS極を近付ける必要があります。逆もまた同様です。

以下の図はラッチタイプの動作を表したグラフで、横軸が磁界の強さ(単位:mT[ミリテスラ])、縦軸が出力信号の電圧レベルです。

ホールセンサー ラッチタイプ

対応するTI製品

利用シーンの例

  • ブラシレスDCモーターの回転位置検出

スイッチタイプ

スイッチタイプは磁石が接近すると出力がLowになり、離れるとHighになります。また、スイッチタイプには単極検出(ユニポーラ)と両極検出(オムニポーラ)の2種類があります。単極検出はN極かS極のどちらかでのみ反応し、両極検出はN極とS極の両方で反応します。

下図は両極検出の場合の動作を表したグラフです。

ホールセンサー スイッチタイプ

対応するTI製品

利用シーンの例

  • 冷蔵庫の扉の開閉検出
  • ノートPCのディスプレイの開閉検出

アナログ出力タイプ

アナログ出力タイプはN極/S極の強さに応じて出力電圧がリニアに変化します。つまり、ホールセンサーとN極との距離が近づくと出力電圧値が上昇し、S極との距離が近付くと出力電圧値が下降します。

ホールセンサー アナログ出力タイプ

対応するTI製品

利用シーンの例

  • フットペダルの踏込み位置検出
  • ハンドルの回転角度検出

TI社の新しいホールセンサーは超低消費電力

TI社のDRV5032は今年リリースされたばかりのスイッチタイプのホールセンサーICです。

この製品は従来の製品に比べてバッテリー駆動用に動作電圧範囲を絞り(1.65~5.5V)、2種類のサンプリング周波数(5Hzもしくは20Hz)を準備することにより、消費電流が0.54uA(1.8V駆動、5Hzサンプル時)と圧倒的に低く抑えられていることが特徴です。電池駆動のアプリケーションで使用する際には大きなアドバンテージが得られる製品です。

どのくらい低消費なのかは、DRV5032の評価ボードであるDRV5032-SOLAR-EVMを見ていただければ分かると思います。下記の画像がDRV5032-SOLAR-EVMです。

DRV5032-SOLAR-EVM

これはいたってシンプルな評価ボードで、右下のホールセンサーに磁石を近付けるとLEDがON/OFFできる、というものです。特筆すべき点として、この評価ボードはわずかな電源供給能力しかない太陽電池で動作できるところにあります。

また、ジャンパピンを取り外して外部の電池を接続することもできますし、ホールセンサーの出力信号を取り出すこともできます。ホールセンサーの感度検証をしたい方や、「アイデアを練るためにまずは触ってみたい!」という方には最適な評価ボードと言えそうです。

まとめ

ホールセンサーの原理の説明と、TI社のホールセンサーの種類と利用されるシーンについて紹介しました。

TI社の最新のホールセンサーは超低消費電力なもののため、バッテリー駆動のアプリケーションでも十分に利用できるようになりました。アイデア次第では、IoTのセンサーデバイス、おもちゃなど、今後はより多くの場面でホールセンサーが使われるようになるかもしれません。興味のわいた方はまず評価ボードを触るところからはじめてみてはいかがでしょうか。

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