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超音波センサーってなに?仕組みとアプリケーション例から学ぼう!

[最終更新日 : 2017/07/05]


そもそも超音波センサーって何?

超音波センサーとは、超音波を使用して液体の流量測定、液体識別、物体との距離の測定などができるセンサーです。

流量などを測定する技術には様々なものがありますが、なぜ超音波センサーが注目されているのでしょうか?
その理由はいたってシンプルで、超音波センサーには多くのメリットがあるからです。

メリットとしては、高精度に計測ができる(±1%以下)、長寿命、様々な材料の検知できる、などが上げられます。

一方、超音波センサーには注意点もあります。それは、超音波を伝達するための明確な経路が必要になることです。つまり、超音波の送受信を行うためのトランスデューサーの機構を適切に設計しなければなりません。言い換えると、この機構の設計さえ出来てしまえば上記で上げたようなメリットのセンサーを誰でも実現できるということです。

このトランスデューサーの機構の注意点や、超音波生成の原理、計測方法については下記の動画にて解説されていますので是非ご参照ください。

TI社製 超音波センシング向けAFE製品 TDC1000

TDC1000とは

上の動画でも説明があったように、TDC1000はトランスデューサーを接続することでエコーや圧力波を検出することが可能なICです。

このデバイスの特徴としては、超音波センシング用のプログラマブルなアナログ・フロント・エンド(AFE)を内蔵しており、様々なアプリケーション及びトランスデューサーに対応させることができます。また、消費電流も最適化されており、低消費電力動作が必要なバッテリー駆動のアプリケーションにも最適なデバイスになっています。

すぐに評価を開始できる評価ボードも用意されており、評価ボード用のソフトウェアツールも直感的に使用できる非常に使いやすいものになっていますので、初めて超音波センサーを扱う方にもお勧めできるデバイスになっています。

TDC1000の動作の仕組み

TDC1000MSP430などのマイクロコントローラーや、TDC7200などのタイム-デジタル(Time-to-Digital)・コンバータICからトリガー信号を入力することで動作します。動作の仕組みについて簡単に解説します。

TDC1000 超音波センサーの仕組み

【動作の流れ】

  1. TDC1000に対して外部からトリガーを入力します。
  2. トリガー信号が入るとTDC1000はTOF計測用のSTART端子と、AFE部のTX端子にパルスを送信します。
  3. トランスデューサーはTX端子からのパルスにより励起されます。
  4. トランスデューサーが超音波エネルギーを媒体(空気、水、ガスなど)に伝達します。
  5. 超音波がターゲットに到達し、反射して返ってきた超音波エネルギーをトランスデューサーが受けます。
  6. トランスデューサーがこれを受けるとエコーを生成し、TDC1000のRX端子に送られます。
  7. TDC1000はエコーを検出すると、STOP端子からパルスを出力します。

上記のSTARTからSTOPまでのTOF(Time-Of-Flight)期間から液量の測定や液体の識別、流量の計算を行うことができます。今回はアプリケーション例をとおして、液体識別の仕組みと液量測定の仕組みについて説明します。

TDC1000を使用したアプリケーション例

液体識別

TDC1000 液体識別

上記構成のTOFは下記の式で求められます。

TDC1000 TOF計算式

つまり、この式の距離が分かっていれば、TOFを計測することで物質の持つ音速が分かります。物質の音速は水やガソリンなどの物質により異なるため、液体の種類を判別することができる、というわけです。
物質の音速については公開しているサイトがいくつかあります。気になる方は「物質 音速」といったキーワードで検索してみてください。

液量測定

TDC1000 液量測定

液体識別は既知の距離から液体を識別しましたが、液量測定でも同様の計算式を用いて、既知の液体からその液面までの距離を計測します。

ちなみに、TDC1000はTX端子、RX端子をそれぞれ2端子ずつ持っておりますので、液量測定と液体測定を下記のように同時行うことも出来ます。

TDC1000 液体識別+液量測定

ここでは2例のみを紹介しましたが、これを応用して流量計などの実現もできます。流量計の応用例については以下の動画にて解説していますので、興味のある方はご参照ください。

Texas Instruments社の超音波ソリューション製品

ここからTI社の超音波ソリューション製品について紹介します。

TDC1000とTDC7200

TDC1000は超音波ソリューションのAFE部を内蔵したプログラマブルなIC、TDC7200は55psecという高い分解能でTOF(時間)をデジタル値に変換可能なICです。

TDC1000とTDC7200を組み合わせることで超音波による計測アプリケーションを実現することができます。

TDC1000-TDC7200EVM

TDC1000-TDC7200EVM

TDC1000-TDC7200EVMはTDC1000とTDC7200を搭載した評価ボードです。

評価用のGUIソフトウェアも無償で入手でき、キットにはトランスデューサーも含まれていますので、すぐに評価を開始できます。

おわりに

超音波センサーは超音波を使用して液体識別、物体との距離の測定などができるセンサーで、その仕組みとアプリケーション例について簡単に解説しました。また、TI社にはTDC1000をはじめとする超音波ソリューション製品や便利な評価ボードが用意されています。「触ってみたい!」という方はまず評価ボードの購入を検討してみてはいかがでしょうか?

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