Texas Instruments 技術情報

【IoT】 SimpleLink Wi-Fiモジュール評価キット「CC3200MOD LaunchPad」を使ってWi-Fi通信を試そう!

[最終更新日 : 2016/12/02]


こんにちは。
先日はテキサスインスツルメンツ社(Texas Instruments)のCC1350を使ってSub-GHz(サブギガ)無線通信の動作テストを紹介しました。Sub-GHzにご興味ありましたら下記リンクより弊社の動作テスト記事をご覧ください。

LaunchPad CC1350でIoTにも活用できるSub-GHz無線通信を試そう!

Sub-GHzの他、流行のIoTを検討するうえで必ず挙がる通信規格といえば、Wi-Fiですよね。そこで今回は、Wi-Fi通信の動作テストをご紹介しようと思います。

誰もが知るWi-Fiとは?

Wi-Fiとは2.4GHz帯、または5GHz帯を使用した無線通信規格です。Wi-Fiは世の中に広く普及していますので、今ではいたるところにAP(アクセスポイント)があり、気軽に使用できるというのが特徴ですね。TIのWi-FiソリューションもSimplelinkという名前の通り、簡単に接続できることを特徴としています。

Wi-Fiを含め、その他の無線通信規格について、当社ではワイヤレスセミナーと題して開催しており、無線製品の開発に必要な知識、各種無線規格の比較等について学ぶことができます。ご興味のある方は下記セミナーレポートをご覧ください。

セミナーレポート「初心者のためのワイヤレスセミナー」

機材の準備

今回の実験で使用する機材、ツールは以下の通りです。

評価ボード CC3200MODLAUNCHXL x 1台

CC3200MODLAUNCHXLはCC3200モジュールを搭載したLaunchPadという名前の評価ボードです。

日本国内で無線機を使用するには電波法に則り、技術基準適合証明(通称、技適)を取得する必要があります。このCC3200モジュールはすでに技適を取得したものなので、本記事のようにサンプルの動作テストを行う場合や製品を評価するときにオススメです。CC3200のチップとモジュール、そしてそれぞれの評価ボードをテキサスインスツルメンツ社は用意しています。

ご購入、納期確認等のご相談につきましては、以下よりお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

CCSv6(Code Composer Studio)

テキサスインスツルメンツ社の統合開発環境です。CCSは無償評価版をWebから入手することができます。入手方法、インストール方法については、以下に記載されていますのでご覧ください。(インストール時、プロセッササポートに「CC32xx Device Support」を選ぶ必要がありますのでご注意ください。)

GSG:CCSv6 installation

CC3200SDK

テキサスインスツルメンツ社が提供しているCC3200ソフトウェア開発キットにです。CC3200のサンプルプログラムの他、開発に必要なドキュメント等がまとめられています。無償で提供されていますので以下よりインストールしておいてください。

Simplelink Wi-Fi CC3200 ソフトウェア開発キット(SDK)

WindowsPC(Windows 7,64bit CPU)

当社では上記のPCを使いました。CCSを動作させるために必要なスペックについては以下をご覧ください。

System Requirements

アクセスポイント(AP)

Wi-Fi通信の動作テストに欠かせないのはこのAPになります。今回はiPhone6のデザリング機能を使います。

動かしてみよう

Wi-Fi通信のテストをさっそく行っていきましょう!まずはテストするために必要な環境構築をしていきます。

評価ボードを確認!

まずはLaunchPadを箱から出してみましょう!すると写真1のようなボードが入っています。これを同梱されているUSBケーブルを使ってPCと接続しましょう。CC3200MODLAUNCHXLは技適を取得済みのモジュールになっています。

CCSの準備

今回はCC3200SDKの開発キットの中からTCPのサンプルプロジェクトを動作させます。このプロジェクトをCCSで使えるように各種設定をしていきます。

CCSを起動したら、「Project」-->「Import CCS projects...」をクリックします。インストールしたCC3200SDK(C:\ti\CC3200SDK_1.2.0)より以下のプロジェクトを全てインポートします。

  • driverlib
  • oslib
  • simplelink
  • ti_rtos_config
  • tcp_socket

インポート後、「tcp_socket」以外のプロジェクトを全てビルドします。

次に、CC3200とCCSを接続する環境を作ります。CCSが特定のデバイスにデバッガ接続するにはターゲットコンフィグレーションファイル(.ccxmlファイル)を用意する必要があります。今回はCC3200を使用しますので、以下の手順でターゲットコンフィグレーションファイルを追加します。

  1. メニューバー「view」 --> Target Configurations を立ち上げます。
  2. Target Configuration内を右クリックで「Import Target Configuration」をクリックします。
  3. 下図のようにConnectionとデバイスを指定し、Saveします。
  4. User Defined内「CC3200.ccxml」を右クリック、Set as Defaultをクリックします。

これでCCSの準備は完了です。

Wi-Fi通信の設定 / サンプルの書き込み

次にWi-Fi通信を行うのに必要な各種設定を行っていきます。当然ながらAPの設定をしないとCC3200は通信してくれません。どこで、設定するかというと...

...\CC3200SDK_1.2.0\cc3200-sdk\example\common\common.h

のヘッダファイルです。ヘッダファイルの中身をみると、60-62行目でCC3200が接続するAPを定義するコードが記述されています。今回はiPhoneをAPとして使用するので次のようにSSID、セキュリティタイプ、パスワードを設定します。

変更後、ヘッダファイルを上書き保存します。後は、CC3200に「tcp_socket」の内容を書き込みます。CCSのバグ(虫)ボタンでビルド、デバッグを開始します。

書き込みできましたらターミナルソフトでWi-Fi接続できるか確認しましょう!以下のように ターミナルの設定をしてください。

  • 接続先COM Port:CC3200LP Dual Port
  • ボーレート:115200
  • データ:8bit
  • パリティ:なし
  • ストップビット:1bit
  • フロー制御:なし

設定ができたら、CCSの実行ボタンでCC3200を走らせます。するとTera Termでは次のような画面になります。またiPhoneの画面も確認するとCC3200がiPhoneのAPに接続されたことが分かります。

今のままではPCとの無線通信はできていません。まだ、PC側のIPアドレスをCC3200が認知してないからです。次はこの設定をしていきます。TCPのサンプルではターミナル上で相手先のIPアドレスやポート、パケット量を設定することができます。初期設定では上図の「Default Settings」に記載されています。このうち、IPアドレスの設定を下記手順変更します。

  1. PCをAP(今回はiPhoneのデザリング機能)のWi-Fiに接続します。
  2. 接続後、コマンドプロンプトを立ち上げ、「ipconfig」と入力し、Enter
  3. ターミナル上で「3」と入力し、Enter
  4. IPアドレスを変更するため、「3」を入力し、Enter
  5. コマンドプロンプトに記載されたIPアドレスを入力し、Enter

これで、設定はすべて完了になります。最後にターミナル上で「4」を入力し、Enterを押してメインメニューに戻ります。

送信/受信の動作テスト

ここからはいよいよ動作テストになります。ここまでくると早く動かしてみたいという気持ちが高まりますね。

まずはPC側でパフォーマンス計測ツールを起動します今回iperfというツールを使いました。

a) CC3200からPCへの転送

CC3200からPCへの送信をテストしましょう。以下の手順でパケットを送信します。

  1. ターミナル上でメインメニューから「1」を入力し、Enter
  2. コマンドプロンプトで「iperf.exe -s -i 1 -t 100」と入力し、Enter
  3. コマンドプロンプトでTCP portとTCP window Sizeが表示されたら、ターミナル上でEnter

無事成功すると、「Sent 1000packets successfully」が表示され、送信ができたことが分かります。コマンドプロンプトを見ると、サーバが受信したデータ量とその時の通信速度が表示されています。

b) PCからCC3200への転送

次にPCからCC3200への受信テストをしましょう。以下の手順でパケットを受信します。

  1. ターミナル上でメインメニューから「2」を入力し、Enterを2回押します。
  2. コマンドプロンプトで「iperf.exe -c <サーバ側IPアドレス>-i 1 -t 100000」と入力し、Enter

成功すると、「Received 1000packets successfully」が表示され、CC3200がデータ受信できたことが分かります。コマンドプロンプト側を見ると、送信データ量とその時の通信速度が表示されています。

測定結果

CC3200->PCのデータ転送 8.3 - 9.2Mbps
PC->CC3200のデータ転送 11.5Mbps

これでTCPのサンプルプログラムを動作させることができました。このサンプルプログラムの概要はテキサスインスツルメンツのホームページに掲載されています。CC3200はCC1350に比べ、少々準備が必要に感じたかと思いますが、スタートアップガイドも提供されています。本実験でもサンプル概要、ガイドを参考に各種設定を行いましたので、CC3200の動作テストでお困りのときは下記より参考にしてください。

CC32xx TCP Socket Application

CC3200 Simplelink Wi-Fi and IoT Solution w/ MCU LaunchPad Getting Started Guide

また、この他にもCC3200の機能を評価できるサンプルが多数ありますので、ぜひサンプルプログラムの動作確認をしてみてください。

Next Step - 次に進めるには

TIのWebサイトにはさまざまな情報があります。この記事にご興味を持たれた方は以下もご覧になってみてください。きっと参考になるはずです!

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。

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