富士エレクトロニクス株式会社

ステップテクニカ技術情報

最終更新日 2018/8/29

アナログ信号を省配線化してノイズや電圧降下を防ぐ方法

MKY44-AD16A/DA16A

アナログ信号の配線を引き回して、ノイズや電圧降下に悩まされたことはありませんか?

FAの現場ではセンサやスイッチの入力、ソレノイドの出力などデジタル入出力が多く使われていますが、0-5Vの電圧入力や、4-20mAの電流入力といったアナログ入出力も多数存在しています。これらはポピュラーな規格で、今でも様々な場面で活用されています。

ただ、アナログ信号(特に電圧信号)はノイズに弱く、長距離配線にも向きません。しかし工場内のネットワークを構築する際、どうしても配線が長くなる箇所も出てきます。そんなとき、ノイズに強いシリアル通信を使えたらいいですよね。

ステップテクニカのCUnetはノイズに強いRS485のシリアル通信で、アナログ入出力が可能なMKY44シリーズという製品群もラインナップされています。アナログ信号とデジタル信号を同一の通信ラインで送受信可能です。今回はMKY44搭載基板を用いて、アナログ入出力を評価する方法をご紹介します。

以前、CU-43USBとエディタソフトを使ってCUnetのデジタル入出力を評価する方法をご紹介しましたが、今回はそのアナログ入出力バージョンです。CUnetのプロトコルやレジスタ構成を理解する必要もなく、すぐにお使いいただける点も特長です。


CUnetのMKY44シリーズはアナログ入出力も可能

ステップテクニカのCUnetはデジタル入出力だけでなく、アナログ入出力にも対応しています。対応しているのはMKY44シリーズで、MKY44-ADxxであればアナログデータを取り込み可能、MKY44-DAxxであればDA制御が可能といったように、品名でどういったデバイスなのかをある程度判断できます。

例えばMKY44-AD12Aであれば12bitのADCを4ch内蔵しており、外付け回路なしで直接12bitのアナログ信号を取り込んで処理することができます。

入力されたデータは、全てのCUnet ICへ自動的にメモリ共有されるため、ユーザーCPUが各CUnet ICのメモリをリードするだけでアナログ制御が可能です。

MKY44-ADの説明

アナログ信号はノイズに弱く、長距離の通信に向いていませんが、CUnetはRS485ベースの差動信号のためノイズにも非常に強く、数百メートル以上の通信が可能です。したがって、アナログ入出力をCUnetで通信することには大きなメリットがあるのです。

<<事例>>

とある工場では、データロガーへのアナログ入力が数十chほどあり、従来はそれらの信号をチャンネル数分1本1本ケーブルで配線していました。ただ、アナログ信号を長距離引き回していたため、電圧降下とノイズの問題に悩まされていました。


そこで彼らはCUnetに目を付けました。MKY44-AD16BとMKY44-DA16Bを使えば、アナログ信号をRS485のシリアル通信に変換することができ、数十chのアナログデータを1本のケーブルでまとめられることに気づいたのです。しかも、CUB44-AD16AとCUB44-DA16Aというステップテクニカの用意している基板が、そのまま現場で使用できることもわかりました。


今まで悩まされていたアナログ信号の長距離配線の問題を、ステップテクニカ基板を用いることで一気に解決できたという実例です。しかも既存の基板を利用できたため、新たに基板を開発する必要すらありませんでした。

以降はこの事例に沿って、CUB44-AD16AとCUB44-DA16Aの使った対向試験についてご紹介したいと思います。


CUB44-AD16A / CUB44-DA16Aの使用準備

CUB44-AD16AとCUB44-DA16A はCUnetのアナログスレーブボードです。それぞれMKY44-AD16AとMKY44-DA16Aが1pcs搭載されているAnalog I/Oボードです。CUnetのアナログ入出力がどのように動作するかを確認するときに最適です。

FA分野で頻繁に使用されるフェニックス・コンタクトの端子台と、アナログ入出力用のe-CONコネクタが載っていますが、人によっては普段使い慣れていないコネクタですので、まずはその使い方からいきましょう。

フェニックス・コンタクトの電源コネクタ

PHOENIXと3Mのコネクタ

CUB44-AD16A基板を例に取って説明します。

本基板は緑の端子台で有名なフェニックス・コンタクトの電源コネクタ(品名:SPTA 1/4-3.5)から24V電源を供給することで動作します。
※当社はフェニックス・コンタクト社の代理店でもあります。

端子台は工場の生産ラインのエンジニアには当たり前のものかもしれませんが、私どものような半導体しか知らない人間にとっては、あまり使い慣れていないものです。例に違わず、自分も「どうやって使うの?」というところから入りました。

PHOENIX CONTACTのHPで確認すると“オレンジ色の開放ボタンでわかりやすい操作”と書いてありますので、オレンジ色の部分をマイナスドライバーで押してみました。

PHOENIXコネクタ1

すると、このオレンジ色の部分を押している間だけ、その下にある穴が開放されます。つまり、押している間に電源ケーブルを突っ込むだけで配線が完了します。ネジを開けたり閉めたりする必要がなく、ドライバ一本でスピーディに配線が完了するのでFAの現場で受けがいいそうです。こうゆうことは、やってみないとわかりませんね。

PHOENIXコネクタ2

※電源ケーブルの先は皮をむいておく必要があります。

アナログ入出力用のe-CONコネクタ

e-CONコネクタも普段あまり使ったことがありませんでした。本基板には住友スリーエムのe-CONコネクタ(品名:37206-62A3-003PL)が搭載されています。このコネクタはメス側ですので、オス側は基板のデータシートに推奨適合コネクタとして37103-●●-000FLが紹介されています。

今回はその中から37103-2124-000FLを選択しました。理由はフェニックス・コンタクトの電源コネクタと同じAWG22の線材が使えるからです。3Mのオンラインストアから購入してオス側のコネクタを準備します。

こちらも使い方は簡単。ケーブルの皮をむいておく必要もなく、AWG22の線材をそのまま奥まで差し込んで、ぎゅっとかしめるだけでOKです。

3Mコネクタ手順


CUnet基板でアナログ入出力の評価を行う手順

今回行うことは、CUB44-AD16A基板でアナログ入力を受け取り、基板内でAD変換した信号をCUnet(RS-485のシリアル通信)で通信してCUB44-DA16A基板に渡します。そこでまたDA変換してアナログ出力として復元します。


1. アナログ入力0-5V:ボリューム抵抗で分圧

アナログ入力については、ボリューム抵抗で分圧して0-5V電圧入力にするという一番簡単な回路を用いました。0~1kΩの可変抵抗と100Ωの抵抗を直列接続して分圧した値をe-CONコネクタへつないでいます。(次の図の黄色線の部分)

アナログ入力回路

実際にはブレッドボードを使ってこんな感じです。

アナログ入力回路2


2. アナログ出力0-5V:電圧表示器を接続

アナログ出力については、分圧した値が通信されて復元できているかを見るために、電圧表示器をつないで確認します。入力側のボリュームを回すと分圧値が変わり、表示される電圧値が変わるという単純な仕組みです。

アナログ出力回路

実際にはこんな感じ。

アナログ出力回路2


3. SA, DOSA, 終端抵抗を設定してネットワークの起動

CUB44-AD16AのSAとDOSAの設定は、SA=00h, DOSA=01hとします。
具体的にはSW1の1番ピンのみON、SW2は全てOFFとします。

CUB44-DA16AのSAとDOSAの設定は、SA=01h, DOSA=00hとします。
具体的にはSW1は全てOFF、SW2の1番ピンのみONとします。

今回は2基板しかつなぎませんので、終端抵抗を有効にするために、両基板のSW3のスイッチをONに設定します。

あとは基板間をケーブルでつなぎます。今回はFA現場で使われるような距離を想定して、15メートルほどのケーブルを使いました。具体的には両基板のCN3同士をケーブルでつなぎます。RJ45コネクタですので、市販のLANケーブルでもかまいません。(実際、100円ショップのLANケーブルでも通信できます。)

基板接続


4. アナログ入出力の様子を確認しよう

入力側のボリューム抵抗をひねっていくと…… それに反応して電圧出力値が変化する様子が確認できます。

0.2v~3.6v

このアナログ信号の長距離伝送に、全くCPUが関与していない点が特長です。アナログ入力信号を取り込み、CUnetのプロトコルで自動的にシリアル送信して、受信側は自動でシリアル信号を元の形に戻すことができています。詳しくは『リモートI/Oユニットで高信頼性の通信を実現する方法』もあわせてご覧ください。

アナログ信号復元


5. エディタソフトで共有メモリの動作確認

CUnetのレジスタ値がどのように変化しているかを確認したい場合は、CU-43USBをつなぐと簡単に確認することができます。エディタソフトもメーカーから無料で用意されています。

CU-43USBとエディタソフトの具体的な使い方についても参考記事がございますので、こちらをご覧ください。


 

CU-43USBとCUeditorとは、CUnetのUSBユニットとエディタソフトのことです。パソコンとUSBで接続して、CUnetを使ったシステムの評価やスレーブボードのデバッグ時に活躍します。エディタソフトも直感的に操作できるGUIで、誰でもすぐに使えるような内容です。

[2017/11/20]   writer: エッグ



まとめ

全体の様子はこんな感じです。

全体図

うーん、ごちゃごちゃしてて我ながら分かりにくいです(笑)

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