富士エレクトロニクス株式会社
民生用気圧/サーモパイルセンサー向けのエネルギー効率に優れた センサーシグナルコンディショナを発表
2016年02月02日
高精度測定システム設計を実現する24ビットの高性能IC
IDT は、民生用気圧/サーモパイルセンサー向けのエネルギー効率に優れた24ビットセンサーシグナルコンディショナ(SSC)IC「ZSSC3224」を発表しました。ZSSC3224は、線形化機能や補正機能用に26ビットのデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を統合しており、民生、産業、白物家電、医療といった市場の高分解能アプリケーション向けに最適化されています。また、スマートフォンやタブレットなどのモバイル製品でも大きなメリットを実現します。
先日IDTが買収したZMDI®(Zentrum Mikroelektronik Dresden AG)において開発されたZSSC3224は、ハイエンドセンサーモジュール向けSSCファミリを拡充する製品です。高精度と高分解能を両立した新しいセンサーインターフェースにより、高精度アンプや、24ビット精度のフル機能アナログデジタルコンバータが実現します。
24ビットの出力信号を備えたZSSC3224は、高精度の測定システムに理想的で、主なターゲットアプリケーションとしては、ポータブルナビゲーションや緊急通報システムの気圧高度測定、カーナビゲーションの高度測定、ハードディスク内の圧力測定、気象予報装置などがあります。ダイ形式やウエハ形式で提供されるこのデバイスは、サーモパイルセンサーに利用することも可能で、触れることなく対象物や人体の温度を測定する非接触型温度測定を実現します。
IDTの製品マーケティング担当マネージャであるMichael Georgiは、次のように述べています。「ZSSC3224は、次世代製品に必要とされる高分解能と小型性を実現するよう設計されています。このデバイスは、抵抗圧力センサーや、サーモパイルなどの絶対電圧センサーと連携させることができます。スタックダイアセンブリと専用のMEMSセンサー素子を組み合わせることで、市場で最も消費電力の少ないMEMSベースセンサーが実現します」
ZSSC3224は、1mA(標準)の総消費電流、スリープモード時に20nA(標準)の超低消費電流、1.68~3.6Vの動作電源範囲といった特長を備えており、バッテリ駆動型の低消費電力機器にも最適です。インテリジェントな節電方式を採用しているため、総消費電流を最低限に抑えることができるほか、内部フィルタオプションにより、低ノイズの出力信号や、インテリジェントなアラーム機能と割り込み機能を実現します。
2V時に最大90dBという優れたPSRR(電源電圧変動除去比)により、外部バッファコンデンサを必要とせずに、苛酷な環境下でのアプリケーションに対応します。
また、内部補正アルゴリズムを通じて、信号オフセット、感度、温度、非線形性のデジタル補償が実現されます。係数は、信頼性に優れた不揮発性プログラマブルメモリー内にオンチップで格納されます。
ZSSC3224のその他の主な特長:
- スタックダイアセンブリ向けに最適化された正方形フォームファクタ
- 動作温度範囲:-40~85℃
- 評価キット内のソフトウェアにより、容易なプログラミングを実現
- フルスケール出力に対して±0.10%以上の精度
- 内部温度測定/信号処理
- システム設計を簡素化するフル補正デジタル出力信号
供給について
ZSSC3224は現在、量産出荷中です。ダイ、ウェハー、サンプル、評価ボードが用意されています。詳細は弊社担当部署へお問い合わせください。